これはもう最高。いつのまにパク・チャヌク監督がこんなに優しいひとになっていたのか、と驚いた。
三部構成で描かれる騙し騙されのコンゲームから浮かび上がってくるのは、男性達に抑圧されてきた女性達の叛逆と解放の物語。パク監督らしいケレン味やクレイジーさだけではない、これからの時代に向けたフェミニズムに満ちた女性同士の絆の映画だった。宣伝や監督のイメージとは違う、女性にこそ薦めたい作品。
強かな女性達に対して、男性達は徹底的に滑稽で、けれども単なる敵ではなく可愛らしくもある。
セックスシーンはありがちな『エロ』ではなく、女性達の愛情と欲望の爆発の描写になっていて、そこが素晴らしい。
精神的アンチポルノ。
主演女優2人が素晴らしい。男優陣も控えめにきっちり役をこなしている。
撮影や美術、衣装、音楽などスタッフワークも御見事。