僕はルー・リードやデヴィッド・ボウイには多大なる影響を受けたけど、イギー・ポップ、そしてストゥージズは、もちろん好きだけど、それほど影響を受けた訳ではなかった。
でもジム・ジャームッシュ監督によるこの愛とユーモアに満ちた(しかもサイケデリックな)ドキュメンタリーを見たことで、前より俄然好きになったし、改めてその偉大さを感じた。
「60年代を滅ぼした」とイギーが当時のインタビューでも語っていたように、アンチ・サマーオブラブな姿勢がカッコよかったし、その姿勢とパフォーマンスはまさに原始的な意味でのパンクだった。そしてエネルギーは年老いてなおも健在で、ロックの殿堂入りの時のスピーチも最高にカッコよかった。
本作の良いところと言うか、非常に好感が持てるところは、決して「イギー・ポップ」のドキュメンタリーではなく、「The Stooges」のドキュメンタリーであるところだ。イギーのソロには踏み込まず、ストゥージズの一人一人のメンバーに対するリスペクトがこもっている。
若い頃のイギーはほんと犬みたいで可愛くて愛嬌あるなぁと思った。🐶
