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東京ウィンドオーケストラのKUBOのレビュー・感想・評価

東京ウィンドオーケストラ(2016年製作の映画)
3.0
2017年最初の試写会は「東京ウィンドオーケストラ」。今までに、第1弾「滝を見に行く」、第2弾「恋人たち」と話題作を排出している松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画製作プロジェクトの第3弾だ。

屋久島の町役場がイベントのために東京の有名オーケストラと間違って、似た名前のアマチュア楽団を呼んでしまった。ミスをした女性職員はさあたいへん。満員のお客さんを前に、どうする?

普通なら間違いに気づいた段階で「えーっ!」とか大声で叫んでドタバタが始まりそうな展開だが、この女性職員はあくまでも無愛想でぶっきらぼう。これは、本作が商業映画初監督作となる坂下雄一郎監督の確信犯的演出なんだそうな。主演の中西美帆さんが最初は「朝ドラのヒロイン」のような演技プランで入ったのを、監督の「棒読みで読んでください」「楽団員をゴミだと思って言ってください」という演出で、今まで見たことのない「ツン」だけで「デレ」のない新たなヒロインキャラが誕生した。よくある邦画の方程式から外れた展開は「監督のやりたいことを最大限尊重したスタイル」を謳う同企画のなせる技だろう。

主演の中西美帆さんは本作で初主演。上映後の舞台挨拶では本レヴューでも引用させてもらった撮影秘話満載で楽しかった。また退場時には試写会にも関わらず、ひとりひとりと握手をした上にサイン入りのプレスシートもいただけるという大サービス! 中西さん御本人は役とは違ってよく笑う明るい方でとってもかわいい! ファンになっちゃったのでレヴュー甘めです(^^)。今後の活躍にも注目していこう。
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