コミヤ

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のコミヤのレビュー・感想・評価

4.4
映画秘宝祭り初参加!
今年はどちらも日本未公開で全米大ヒットの傑作ホラー映画の「ゲットアウト」と「IT イット 以下略」
町山さんや平山夢明さん、高橋ヨシキさんの生のおっさんの映画トークも聞けて最高だった!

まずITから

小学生の頃流行った「ドナルドの都市伝説」の元ネタのリメイク!
スティーブン・キングやスピルバーグなどの80年代カルチャー盛り沢山で僕も唯一ハマったドラマ「ストレンジャー・シングス」の大ヒットを受けたからか全米で先週公開されると製作陣も予想だにしない大ヒットに。(作品の舞台も80年代で同ドラマのフィン・ウルフハードも出演)原作でもある27年後を舞台にもう続編製作も決定!日本でもこのヒットを受けて拡大公開になるそうです。
子供でも容赦無く襲われるし言葉が汚いのでキッズ主演なのに海外ではR指定。

曲やギャグの使い方とかマジでなんでもありというか自由過ぎる映画だった。作品のトーンを崩すかのように恐怖シーンと同等に終始投入され続ける外しのギャグや急なBGM。キッズたちの下ネタ混じりのたわいもない会話も最高に面白い(特にフィン・ウルフハード演じるお喋り野郎のリッチー君が終始ボケまくりで最高に可愛い)。なのでコメディ映画を観てるのかってくらい周りも爆笑してた。その未体験の怖さと笑いのバランスが本作の魅力だと思う。
ホラー表現もピエロのペニーワイズだけじゃなくて、彼が見せる様々な幻影や物凄く手の凝った美術、パク・チャヌク組の撮影監督による最高にキマったカメラワークなどでとても楽しめた。

でもやっぱり本作一番の魅力はキッズ達のキャラクター。みんな吃音、ユダヤ人?、黒人、デブなどでいじめられたり家庭に問題がある。そんな彼らがWe are loser's clubって言っていじめっ子やペニーワイズにバットや石を持って立ち向かう姿が愛おし過ぎる。少々長尺だけどこの一本で一人残らずキャラクターを掘り下げて魅力的に描いてるので全員好きになったしドラマなどで彼らの活躍や日常をずっと観ていたい。ペニーワイズは彼らの負の側面の象徴で彼との闘いを通してキッズ達がちゃんと成長してくれるのも良い。(ただ一回解散してからの再結成があっけなかったように感じた。後ペニーワイズ子供相手だからって少し手加減してない?笑)

時代背景や舞台設定、学校のはみ出し者キッズの活躍など共通点の多いストレンジャー・シングス好きなら絶対楽しめる!

的外れかもしれないけどシング・ストリートも連想しました笑

町山さん小話
この映画の"IT"という言葉はアメリカの鬼ごっこにおける鬼を指すそうで、今回の副題や過去の書籍に翻訳される"それ"などは誤訳だそう。
コミヤ

コミヤ