ぱた

バイバイマンのぱたのネタバレレビュー・内容・結末

バイバイマン(2016年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

SFホラー。

特に内容はなくて、気軽に楽しめる都市伝説系ホラー作品でした。多分、恐怖感を楽しむというより好奇心を擽るのを主旨にしてるんじゃないでしょうか。なので、特に何も裏切られないですし、観客が予想する普遍的なストーリーを忠実に再現してくれています。7~8分で読める都市伝説のネット記事を100分の映像にした、時間が余るところはエッセンスを加えてみたが特に意味はない、そんな雰囲気でした。

でも、割りと序盤の方の少女と猟犬のシーンは結構好きでした。アリスが小さな扉を開けて中を覗き込むと、彼女の後ろの同じく小さな扉から生皮を剥がれた猟犬が顔を出すシーンです。アリスが赤いドレスを着ているのもあいまって童話的な魅力がありました。何というか絵本的な表現方法で素敵だなぁと。

それと、"don't say it, don't think it"と言うのは、かなりの最強設定ですね。人間は考える葦であると言ったのはパスカルですが、大雑把にいうと人間の尊厳は思考できることに在ると定義している訳です。人でいる限り、多かれ少なかれ思考し続けなければ生きてゆく事はできませんし、極論、思考が止まればある種死と同等と言っても過言ではない(過言です)。概念化された恐怖に思考を囚われる憔悴をもう少しリアルに描き出してくれたら嬉しかったです。

思考を侵食するだとか、思考を制限するだとかいう設定は汎用性が高いので、そういう面白いスリラーが何処かに落ちてないか探してみたいなと思いました。
ぱた

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