Frengers

ハクソー・リッジのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 ここまで大文字の表現に出会ったのは久々。イーストウッドの問いかけなんて蹴散らしてしまうようなアメリカ映画。ただ信念に基づき、なすべきことをなした男の物語。「ハクソーリッジ」という言葉はこの映画においてはただの境界線・舞台でしかない。冒頭の「True Story」という言葉も正直必要ない。日本はほぼ描かれないし、日本じゃない架空の敵・戦争でもほぼ成立するだろう。
 前半の来歴描写は後半の準備段階に過ぎない。とにかく戦闘シーンに尽きる。
音響と編集、そしてグロテスクさ。それを体験するだけでも「映画館で見てよかった」と思えるほど。爆弾、血、銃声、砂煙の嵐。それを支えるスローモーションの多用や音の目配せが圧倒的過ぎる。

 残念な点は、前半の人間描写の掘り下げが少し足りない。彼女との出会いも恋愛も父親との葛藤も押し並べて均等に描いたが故にイマイチ。教官もみんな良い人ばっかりだし。それと後半の英雄視の描写とそれを盛り立てる荘厳な音楽の数々にもチョット疲れるし、最後のドキュメンタリー部分も無いか減らしたほうが良いと感じたので少し厳しいスコアに・・・


2018/10/14 再鑑賞
 今見るとドラマの演出は少々時代を感じさせる。直線的な時間軸も含めおそらく90年代的。戦闘場面はやはりすごい。カット割りと構図は良いし、スローモーションの使い方も絶妙。長回しがそこまでないにも関わらず、飽きさせない。
Frengers

Frengers