文句なしに名作でしょう！戦争への向き合い方として，主人公デズモンド・ドスは素晴らしくポジティブな人物。実話とは思えないほど奇跡的な存在ですが，現実離れしているにも関わらず，共感することもできます。
舞台は沖縄ですが，アメリカ作の戦争映画によく見られる“正義の戦争”という言い訳やアジア人に対する差別的な視点は皆無。殺し殺される局面では，そのどちらもが狂っているのですが，それが言外によく表されていると思いました。
そう，彼はアメリカ人だから救っているのではなく，助けを求めている人間だから救っているのです。彼が救助した中には日本兵もいたという事実が，それを如実に表しています。
行動のベクトルは違いますが，オスカー・シンドラーや杉原千畝などにも相通ずる気高さにふれ，メル・ギブソンの復活を強く感じました。
主人公ドスを演じたアンドリュー・ガーフィールドは，『沈黙-サイレンス-』ではセバスチャン・ロドリゴ神父を熱演しています。彼から感じる真摯さが，『ハクソー・リッジ』でも『沈黙-サイレンス-』でも見事に生かされていると感じました。スパイダーマンからの飛躍，素晴らしいと思いました！
