PolarBear

クリミナル 2人の記憶を持つ男のPolarBearのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ケヴィン・コスナーって,こんな役もできるのねと恐れ入った映画でした。
脇を固めるのがゲイリー・オールドマンとトミー・リー・ジョーンズですから,観始めた直後に展開は分かってしまいましたが。

この映画を観たいと思ったのは,単純に脳とか記憶とかに興味ありありだったわけでして,それ以外はあまり期待していませんでした。
そういう経緯からすると,思いの外面白い作品だったなと思います。あまりにご都合主義…と感じる瞬間も,ままありましたが。

なんという作品だったか忘れましたが,脳死状態になったら心臓を提供すると言っていた夫の意志を尊重して妻が心臓を差し出し,いただいた心臓を移植したら,夫の記憶が移ってしまって,移植された男が妻の元を訪れて…というものがありました。それを観た時にも感じたんですが,記憶を移された人間は,どういう存在になるんだろう。
ケヴィン・コスナー演じる男が,道徳心のかけらもない男で,はっきり言うと“生きてるだけで迷惑”という描かれ方をしているのは,記憶が移された後で,
「今までの人生と新しい人生,どっちの記憶がいい?どっちの人生を選択する?」
という問いが発生しないように考えられたんだろうなと思う。それってとてもズルイ。人生って,そんなに単純じゃぁないでしょうに。
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