自分がわがままに生きていることは、うすうすは感じている。それによって人様に迷惑をかけたり、または人様に敬遠されたりしているのも感じている。そうして自業自得で孤独に向かっていることもわかっている。そんなときに、優しい言葉をかけてくれて、承認してくれると、怪しいかもと感じながらもコロっと心ひかれてしまう。
その相手が本当に良い人ならいいのだが・・・。
この作品には、本当の良い人もいれば、偽りの良い人もいる。世の中も全く同じ。心の隙間があれば、誰かに埋めてほしくなるのは必定。偽りの良い人に隙をつかれる可能性もあるが、逆に言うと、隙間があってこそ、素敵な出会いがあるとも言える。
平穏に生きることは理想ではあるが、平穏でない部分があることによって、結果的に濃密になる人間関係もある。
小島聖、久しぶりに見たら、気だるさを纏っていていい感じ。
池松壮亮、今まであまり好きになれなかったけど、役柄のせいか、ちょっと見直した。
河井青葉の波のある表情に、こちらも一喜一憂させられた。魅力的な役者さんだ。
エピソード的には彼女の「焼肉定食」が最も良かった。
刑事役の篠原ゆき子、やっぱり美人だ。各パーツが小粒な丸みがあって優しい印象があるが、しっかりとした意志を持ってそうで素敵。「湯を沸かすほどの熱い愛」に続いて、惚れるのは二度目。