すん

鋼の錬金術師のすんのネタバレレビュー・内容・結末

鋼の錬金術師(2017年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

開始12分でエドが「質量保存の法則」を無視して破れたコートの袖を修復しててダメだこりゃってなった。

いやわかるよ、コートの他の部分がちょっと薄くなってそれで袖を精製したんでしょ?でも見た目あんま変わってないし別にコート破れてても戦いに支障ないわけだから、こういうノイズになってしまう事を考えればほっときゃいいと思うのよ。
戦闘中コートの袖をどうしても修復しないといけない理由は機械鎧丸出しだとCG修正の予算がもたないからですね?

リオールの街並みが2月に遊びに行ったばかりの和歌山のポルトヨーロッパで親近感湧きすぎて笑った。
そのほか神戸の異人館とかで撮影あったらしいけどわからなかった…地元なのに

俳優のキャラ造形や演技が厳しいとかいうのはもう「日本でヨーロッパ的な世界観の漫画を実写化する」時点で諦めざるを得ないが、それ以上に脚本の甘さとか展開の雑さが気になった。

原作の魅力である錬金術バトルや謎解きの部分は簡略化され、簡略化されるだけならまだしもエドがほぼ活躍しない。

2時間枠で(ひとまずの)単独作として決着をつけるために原作序盤の展開と原作終盤の展開を繋げるオリジナル展開を持ってきたのはいいものの、やっぱり原作ほどの面白さは出せないし、その展開の担い手となった大泉洋演じるショウ・タッカーも(演技こそよかったが)大した理由を持ち合わせてない変なやつという事であっけなく終わってしまった。
あの理由で話を成立させようとすると、「ダークナイト」のジョーカー並みの脚本の説得力と大泉洋の演技力が必要ですよ。

演技でよかったのは夏菜(マリア・ロス)、松雪泰子(ラスト)、佐藤隆太(ヒューズ)、大泉洋(ショウ・タッカー)
マリア・ロスがすごくよかった、めっちゃちょい役に降格されてたけど一番ハマってたよ。

微妙だったのがディーン・フジオカ(マスタング大佐)

最低だったのは本田翼(ウィンリィ)と蓮佛美沙子(ホークアイ中尉)
蓮佛さんは単に演技が上手くないのとコスプレが似合ってないのだけど、本田翼はコスプレも演技もしておらず「鋼の錬金術師」の世界に迷い込んだ、ただの本田翼だった

山田くん(エド)は…まぁ、あんなもんでしょ
漫画をジャニーズ主演で実写化という時点である程度の自分の中でハードルが低めなので全然許せるレベルだった、それよりも本業俳優女優の人たちがさぁ…って感じ。


結局、原作に対してリスペクトがあるのかないのか、一応ギリギリのラインで1本だけの完結作としても成り立つようには作ったけど「次回作やりたい」感じの下心が見え見えというか。
エンドクレジットの後とか。

まぁ、色々と厳しい部分はあるものの、芸能界の力関係とか、予算とか技術とか、色々と考慮したら、まぁこんなもんなんだろうなぁという感じ。諦めの部分の方が大きい。衣装とかロケ地はしっかりやっていて(でもネットで言われてるようにウィンリィのスパナはマジで雑だと思った)原作を大きく逸脱してはないけど、結果的にメッセージ性とかがスカスカになった感じはする。
というか普通に2時間15分、漫画を読んだ時のようなゾクゾク感、ワクワク感がほぼなく、あんまり面白くなかった。
原作が面白すぎるってのもあるんだけどね。


今回、Netflixでカナダでも観れるという事で僕もその恩恵に預かれたのですが、これが世界中に晒されてることを考えるとかなり厳しい。
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