えんさん

チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話のえんさんのレビュー・感想・評価

3.5
ひかりは高校に入学すると同時に、憧れの人を応援したいという軽い気持ちでチアダンス部に入部する。しかしチアダンス部の顧問は全米大会制覇を目標に掲げ、過酷な練習を部員たちに課していた。あまりのスパルタぶりに次々と退部者を出していたが、ひかりはチームメイトである同級生の彩乃の存在もあり、部活を続けることに。だが、最初のチアダンス部の県大会コンテストでは散々の結果に終わり、チームにヒビが入るのだった。。2009年に全米チアダンス選手権大会で優勝した福井商業高等学校チアリーダー部をモデルにした青春ドラマ。監督は「俺物語!!」の河合勇人。

正直、この映画を観るまで、チアダンスとチアリーディングは違うものだという認識すらなかったですが、本作はチアダンス部の映画。チアリーディングというとアメフトの応援のようなアクロバティックな動きが入るのですが(チアリーディングは「チアーズ」という映画を観ると分かると思います)、チアダンスはあくまでダンスが主体。この辺りは映画の中でもちゃんと説明があるので、チアダンス初心者でも分かりやすい入りの作品になっています。でも、リフトなどのチアリーディングのような激しい動きはないとしても、ダンスそのものは激しい動きに尽きる。なぜにチアをここまで極めなければならないのか、熱血部活モノの定石を押さえながら、全体にコミカルでパワフルな作風にしてあるのが好印象です。

主演のひかりを演じるのが、「ちはやふる」でも同じような熱血高校部活モノを演じていた広瀬すずだけあって、何か役柄が被ってくるのですが、「ちはやふる」と違って、本作はひかりは主役でありながら変に役柄を前面に出していない分だけ、顧問も含めたチアダンス部全体のお話として見ることができると思います。この映画を観たときの客層は中高生がとても多かったのですが、僕は年齢的にもやはり顧問の早乙女先生目線で観てしまうんですよね。部活というのが、高校教師の仕事の中でどれくらいの優先度で行われるのか分かりませんが、あそこまで生徒を信じているにも関わらず、生徒の前では信じているがうえに厳しい態度を取るって、なかなかできることじゃないなと思ったりします。生徒の何を見出し、信じて育てていくか、、春になって、教師として新たに仕事を始められる方にも参考になる部分は多い作品なのかなと思います。