○1964年8月、ローマでのイタリア共産党の歴史的指導者パルミーロ・トッリャッティの葬儀が題材。同年、タヴィアーニ兄弟は、葬儀のドキュメンタリー『L'Italia con Togliatti』に他の監督たち(Elio Petri, Valerio Zurlini, Carlo Lizzaniなど)と参加。そのときの白黒の映像が、この映画にも用いられているけれど、それがフィクションとみごとに絡み合う。
○同時代を素材にした長編映画としては3作目で、白黒の映像はこれで最後になる。さまざまな実験をしてきただけあり、映像的なまとまりがグンと良くなっている。カットは秀逸で個性がある。ハッとさせるようなモンタージュに編集のテンポはもはやタヴィアーニ節、ドキドキさせられてしまう。Un uomo da bruciare もすごい映像だったけれど、こちらはタヴィアーニ兄弟の実質的デビュー作と言えるかもしれない。