教授

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーの教授のレビュー・感想・評価

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「スターウォーズ」シリーズの、特に「ハン・ソロ」のスピンオフだなんて嫌な予感しかしない…という状況をどう払拭するか?
という目配せと忖度に満ちた作品。
少なくとも作品の「伸び代」時代は「ローグ・ワン」の方が多分にあるわけで、映画史上屈指のキャラクター「ハン・ソロ」で、ハリソン・フォードじゃないオールデン・エアエンライクの違和感と所在なさ。

スピンオフだから、という開き直りで画面のルックや映画の質感をガラリと変えてしまうことで「独自性」を出そう、と試みているのは充分理解できるが、理解したとしてその「スターウォーズ」との差異、が気になってしまう。
「正史」は画面がこんなに暗くない、という違和感。

加えて、湿気の多い、ドロドロベチャベチャ霧がかった画面。
「スターウォーズ」感だけでなく狙いの「西部劇」感にしても少し減退気味。
エミリア・クラーク演じるキーラの未来への示唆にゲンナリ。

とはいえ「大列車強盗」のアップデートっぷりや、ドナルド・グローヴァー演じる若き日のランド・カルジニアンとL-3ドロイドとの関係性だったり、現代を踏まえた描き方との部分とロン・ハワードの演出の手際の良さ、まとめ方の巧さが際立つ。
だがそれも、スマートなまとめ以上に無味無臭な印象に繋がり味わいにまで到達してない点が残念。

どうにも「スターウォーズ」の作品世界が、世間ではどう求められているのかを、つくり手の側が上手く捉えきれていないように感じてしまう。
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