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メリー・ポピンズ リターンズのTOTのレビュー・感想・評価

3.8
ソウルフルでハートブレイキングな歌声で大スクリーンを震わせ、サンディ・パウエルの華麗な衣装を纏い、我が子を抱いて時に涙し、ファンシーな色彩に包まれるベン・ウィショー。
素晴らしい……尊い……推しがもはやディズニーキャラクター……ありがとうディズニー!!ありがとう世界!!!!
というわけでどうもこんにちはベン・ウィショーのファンです。
エミリー・ブラントが、今作を観た夫のジョン・クラシンスキーがティッシュもナプキンも使い果たすほど大泣きしたのはベン・ウィショーが歌うシーンって言ってたけど、わかる。わかりますよ。あれは泣く。
パンフレットではロブ・マーシャル監督が「最もエキサイティングだったことのひとつが、リン=マニュエル・ミランダをキャスティングできたこと」って言ってたけどその通りだと思う。
前作を踏襲してクラシカルな作風の今作に、彼が現代的で明るい魅力を加えていた。
いつか生のパフォーマンスを見たい。
ただ、作品全体としては前作に似た展開と作風を踏襲して甘くノスタルジックな演出で、前作のような創造への挑戦は希薄。
せめて、時代を経ても一人変わらぬメリー・ポピンズをもっと強調したり、彼女のキャラを掘り下げればいいのになと思った。エミリー・ブラントがぴったりだっただけに。
流石ロブ・マーシャルと思える群舞振付もカメラがフラットでもどかしかくて、ロケではなくセットでの群舞なのでカメラワークも相まって窮屈でダイナミックさに欠けて勿体なく感じた。
逆に、観るまでは今やるのはどうなの?って思ってたクラッシックな手描きアニメと実写の融合が良く、VFXも加わってスタジオセットの実写ミュージカルシーンよりVFXとアニメシーンの方が引き込まれる。特に壺のシーンとラスト良かったな。
涙涙の半面、物足りない部分も多かったけど、なにせウィショーさんが素晴らしかったのでまた観に行きます……そのためにTOHOフリーパスも発行しましたから……。

おかわりX回後の追記。
群舞のカメラの動きや曲の弱さはやっぱり気になるけど、一作目のメロディを入れたりミュージカルシーンの前後にオーケストレーションで同じ曲を仕込ませて全体のトーンをまとめたりと、何度か観るほど音楽の良さが沁みて好きになる。
だんだん歌詞を覚えてきたし、エミブラ、ウィショーと個性を生かした歌唱もいい。
リン=マニュエルはほんとうまいわ〜。
『メリー・ポピンズ』『ベッドかざりとほうき』観た後で『メリー・ポピンズ リターンズ』観たらアンジェラ・ランズベリーにテンション上がったし、エミリー・ブラントと並んだ時にぐっと来るものがあった。
あと『美女と野獣』ポット夫人の時と歌声があまり変わらなくてすごい。
一作目でジェーン・バンクス演じたカレン・ドートリスのカメオ出演も胸熱だったね…。
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