にく

メリー・ポピンズ リターンズのにくのレビュー・感想・評価

3.0
『メリー・ポピンズ』(19)。2ペンスの歌とアンジェラ・ランズベリーの登場には涙させられたが、楽曲も歌詞も役者のパフォーマンスも遠く旧作には及ばず。それもそのはずで、本作は20年来の観客の郷愁を頼みにしすぎているのである。
 またロブ・マーシャルは、本来なんでもありのはずのVFX空間に(得意な描写ではあるのだろう)ブロードウェイの舞台そのものを呼び込み、しかもそれを平面的に提示してしまった。畢竟、マーシャルは旧作のようには2次元アニメーションと3次元実写のギャップを活かせていないのである。
 前作を引き継ぎ、世界恐慌時のイギリスに設定された世界設定(このあとヨーロッパは二度目の世界大戦に向かうはずなのに…)も全く活かされていない。もしかしたらエミリー・ブラントの演技の暗さはそこに起因するのかもしれないが。
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