何と素晴らしいパフォーマンスか。
セリフなんて要らないんだなあ。
自己を喪失している時の狼狽具合が痛いほど伝わる。
かなり独創的で老齢な復讐物語でした。
己が何者か分からない人に果たして復讐は可能なのかとは思うけれども。
記憶がないということはその頃のアイデンティティも喪失してる気がするけど、復讐者からすればそんなことは関係ないのか。
改心させたいわけではなく絶望を味わわせることが目的なのだから。
自身のこともままならない人をあんなに上手く操るなんて不可能だろうなと興醒めなことを考えながら鑑賞していたけれどそれでもなかなかに面白かった。