げ

哭声 コクソンのげのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

國村隼の芝居がとにかくすごい。主人公の娘ヒョジン役のキム・ファニもとんでもなかった。

胡乱トンチキオカルト現象(祈祷ありゾンビあり)が次々と起こる上、妙にテンポのいい序盤から後半のロングカットまで表現方法も多種多様。それでも作品全体の統一感が保たれているのはワンカットワンカットが計算して美しく撮られているため説得力を持っているからだと思う。
それにより割と生々しい描写もあるのに汚くない。飯を食いながら観れた。

何よりこんなに最後まで翻弄される映画は珍しい。信じること/疑うことが作品の根幹となっていたが、観客もまたこの物語をどう受け止めどう解釈するか複数の可能性を提示されている。

そも、人間はこの世界を自分の都合のいいようにしか認識できない。何か良くないことが起きた時、他人や外的要因に原因を求めるのは人間の自然な心の動きだ。
そこに健康食品に混入した毒キノコがブーストをかける。キノコによる皮膚疾患、幻覚が村中を疑惑と混乱に陥れていく。

山の中の男がイエス・キリストのメタファーであるとするならば、キリスト教徒にとって彼は神である反面、異教徒からすると信仰に混乱を生じさせる悪魔でもある。
カメラは現象としての実像を映し出すが、それが果たして真実なのかは人間の認識と判断に委ねられる。

私はジョングがニッ社のケツに見えてしまったので何を言われようとニッ社のケツに見えてしまった。

ところでこの映画、TSUTAYAで何のジャンルに置いてあるの?
げ