静かな地方の農村に起こる一つの惨殺事件。
物語は怪異なサスペンスからいくつも
『何なんだ？』『誰なんだ？』を経過して悍ましいホラーに変貌して行く…
石を投げる謎の少女の行動や鶏が3度鳴くラストシーンなど数多の福音書からのキリスト教になぞらえた隠喩や描写。
こんな事になるのなら聖書を事前学習しておけば良かったし、スコセッシの『沈黙 サイレンス 』も鑑賞しておけば更に何かを感じられたかも…
奇しくも今、善と悪との交錯がめまぐるしく混乱の渦中にある韓国社会。
見えるもの聞こえるものが”真実”とは限らない。
人は何を信じれば良いのか？
監督ナ・ホンジンが問う。
俳優陣の配置や演技は絶妙。
しかしながら鑑賞後に経験した自身のあの時の「疲労」はなんだったのか？
作品に魅入った神の”充実感”か？
長尺すぎた悪魔の”倦怠感”か？
答えはまだ見えない。
監督 ナ・ホンジン
CAST クァク・ドゥオン ファン・ジョンミン 國村 準 チョン・ウヒ etc
原題 『The Wailing』
2015年 韓国 156分
http://kokuson.com/
