エアール

哭声 コクソンのエアールのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.9
この類をみない世界観、
國村隼さんの怪演ぶり
ーーこれがすごくいい味を出してます 笑
個人的には”This Man”を彷彿とさせます、
人の先入観や勝手な思い込み
ーー何を信じ、何を疑うのか、
脆さと危うさ、
ストーリー、演出、芝居、どれをとっても見応え十分。
あっという間の約2時間と30分でした。


小さくとも平和で穏やかな村 谷城(コクソン)。
そんな村でここ最近
村人が自身の家族を殺害する事件が多発している
ーー刃物で滅多刺し、など残虐で猟奇的、
いずれも犯人は、正気を失い、血まみれ、目が白く濁っており、湿疹で赤く肌がただれているという共通点が…。

捜査にあたる巡査部長 ジョング、
死亡した容疑者の検死結果より、体内から毒キノコの成分が多量に検出された
ーー幻覚作用があるようで、犯行はこれによるものであろうと…。

だが同僚からここ最近になって広まっているという”とある噂話”を聞かされるジョング。
なんでも山を越えたところに日本人のよそ者がひとり住んでいる
ーーこの謎の男だが
なんでも鹿狩りの猟師が偶然山奥で見かけたようで
ふんどし姿の謎の男が鹿の生肉を貪り食っていて、その目が赤く光っていた
ーーあれは”人間”ではないと、
家族を殺し自身は首吊りを図った女性は事件を起こす前に謎の男に襲われており、その直後から肌がただれ始め、異常行動を繰り返すようになったとか、
一連の連続猟奇殺人が起こり始めたのは謎の男が住み着いて以来である、
現場でも目撃の証言があり、…。

現場の見張りをしているジョング、
するのどこらからともなく現れた若い女性
ーー犯行の一部始終を目撃していたらしく謎の男が事件に関与していると。

こうして最初は噂話だと
内容を信じていなかったジョングも
次第に謎の男の存在が気になり始める…。

謎の男に会うために同僚を連れて山奥へ向かうジョング、
謎の男が住居では事件を起こした容疑者らの夥しい量の写真や彼らの私物が置いてあるなんとも怪しい部屋
ーーそこには愛娘 ヒョジンのと思われる片足の靴も、
謎の男は何者で、なんの目的で滞在してるのか、
さらにここで進展が…。

ジョングの娘 ヒョジンが
高熱でうなされ、さらには体に湿疹ができ始めたのだ…
ーーここ最近の猟奇殺人の容疑者らと共通するあの湿疹が…。

異常なまでの食欲、
豹変する態度や言葉遣い、
明らかに以前の娘ではなくどうみても”どこかおかしい”。

悪夢にうなされる日々、
娘を救いたい一心のジョング、
謎の男への”脅し”、
強力な悪霊、
高名な祈祷師によるお祓い
ーーこのお祓いスタイルには疑問しかないけれども 笑、…。

悪霊の正体と二転三転するストーリー、
人智を超えた力により、今人間が試される…。


人々は恐れおののき
霊を見ていると思った
そこでイエスは言った
”なぜ 心に疑いを持つのか”
”私の手や足を見よ、まさに私だ”
”触れてみよ、このとおり肉も骨もある”
エアール

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