このレビューはネタバレを含みます
自分の心の中でフィルターをかけ
自分の瞳というレンズの先に映るその光景は
果たして本当にありのままと言えるのか。
「信じるな、疑え❢❢」は他人にではなく
己に対しての警笛なのかもしれない。
多くの人は故意にやたらアクティブに人を傷付けることは
普段あまりしないように思う。
けれど自分の心のフィルターにかけ目に見える形で
振り分けたり排除したりというような
パッシブで罪の意識のかなり低い意地悪は
多くの日本人の日常であり
当たり前になりつつあるようにも思う。
それが今の時代の常識で一般的な人間の姿だ。
自分は善人だなんて自分は優れた人間だなんて
自分は常識人で正しいだなんて
単純に自惚れるのは危ない、過信するのは危ない。
自分の日々の行いが魔を引き寄せる。
魔を釣り上げるか素通り出来るかは自分次第。
本作に出てくる数人の怪しい異端児は
実はその他の目立たない村人や主人公より
ずっとずっとニュートラルな存在に思えた。
哀しい気持ちと罪悪感が押し寄せる上に
恐怖ものしかかって何とも不思議で疲労困憊の作品。
素直な瞳と心で見れば単純なオカルト作品にも思える✧
そこに勝手に意味付けしたり様々な解釈をするのが
人間の面白さであり豊かさであると同時に
事実を捻じ曲げる、または煙に巻いて混乱させるという
しつこく染み付いた弱点であり欠点なんだなとも思う。
一般的とか常識人いう言葉の上に胡坐をかいてちゃ馬鹿をみる。
「警察官」という肩書きだけじゃ非力過ぎる。