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アリー/ スター誕生のfilmgramのレビュー・感想・評価

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
3.9
試写会にて DOLBY ATMOSで鑑賞。
原題:「A Star Is Born」(2018)
製作国:アメリカ/上映時間:136分
支持率:映画評論家90%、オーディエンス81%

【観る前に知っておきたい事前知識】
●「スタア誕生」は、3度目のリメイク
(映画としては4作目)
1~2作目は映画界が舞台、3作目から音楽界へ。
前作はロック、ソウルといったメインジャンルが
本作ではアメリカの音楽界でトレンドになっている
「カントリー要素」もまた取り入れられている。

●ライブシーンは実際の音楽祭で撮影
冒頭のライブシーンは、プロディースを務めた
ルーカスのステージにクーパーが飛び入りして
撮影を実施。ヨーロッパで行われた音楽祭でも
同じ手法が採用された。

●ライブシーンは全て生歌
歌のシーンをアフレコする撮影が主流の中、本作は
全て生歌で事前録音した楽曲は0。作り上げた楽曲が
披露されるライブシーンは臨場感あって見所。
クーパーは、ジャクソンになるため6ヶ月間週5で
歌の特訓に励んだとか。

●「Shallow」の歌詞に込められたダブルミーニング
作中に19曲歌われる中でも印象の強いShallow。
スーパーの駐車場のシーンでクーパーがガガに
対して「I'm fallin'」って歌い始めますが、結果的に
これは"恋に落ちる"と"スターの地位から落ちる"が
掛けてあって、アリーへの思いと彼の後の人生を
暗示している。またサビの
「We're far from the Shallow now」では
「2人が互いに惹かれ合っていることと、Shallowの
意である「浅瀬」から離れた深い場所に向かって
飛び込もうとする決意を表現した特別な曲」と
ガガが以前にインタビューで語っています。
この深い場所=愛、夢のことでしょうね。

●親人を亡くした直後に撮影した圧巻の歌唱シーン
本作のハイライトとなるLAのステージでアリーが
圧巻のバラードを熱唱するシーン撮影時、ガガの
親友が危篤状態に陥りすぐさま駆けつけたが、
ガガが到着する15分前に逝去。親友の夫から亡き
親友がガガにしてほしいと託したことは、
「歌うこと」であり、それを受け止めたガガは
すぐセットに戻ってとにかく歌いたがったそう。
こうした背景から、ただでさえ感情的にならずに
いられないシーンは、カガにとってより特別で
リアルな感情がこもっていたのです。

【感想】
DOLBY ATMOSで試写会にて鑑賞。ガガの
存在感に圧倒。特筆すべきはガガが「アリー」
として演じれている点。歌唱力は勿論、世界中を
驚かせた演技力が予想の範囲外。そして、
巨匠のイーストウッドに認められた演技力を持つ
クーパー、俳優でありながら監督×脚本に加え、
ガガと作詞・作曲も手掛けた上に圧巻の歌唱力。
これぞスターと言わんばかり。ストーリーは、
1/3近くが音楽を占めている印象、そのため
物語自体は至ってシンプル。リメイクもあってか
ところどころ古風な感じが漂ってる。いちゃつき
要素多め、人によってはこの点で評価が割れる。
もしかするとガガが本当にアカデミー賞で主演
女優賞を取るかもしれませんが、
作品賞を取れるかと言われると個人的には微妙な
ライン。グレイテストシャーマンは「歌のパワー」
が圧倒されるのに対して、本作は「声のパワー」に
圧倒される感覚に近い。映画初主演作のガガ、
映画初監督作品を手がけたクーパー、
映画界にまた新たな「スター誕生」!!
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