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アリー/ スター誕生のロクのレビュー・感想・評価

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
3.8
映画界を舞台にした1937年版、1954年版、舞台を音楽業界に移した1976年版(今回のリメイクはこれ)と過去3度に渡り映画化されたハリウッド産王道ラブストーリーの4度目の映画化。LGBTに配慮した役柄、前作には無かった兄弟の確執や父娘の関係など今の時代に即したアレンジは加えられてはいるけれど基本的なストーリーは過去3作品と同じなため過去作を観ている人からすると新鮮味が感じられず凡作という評価を下す人も多いと思いますが、自分は1954年版と1976年版を観たことあるけどストーリーは同じでも時代背景によって男女の描き方も変わってるため完全に別の映画として捉えて観ました。感想としてはカントリー・ロック界のスーパースターでありながらスターの階段を駆け上がっていく恋人に対する嫉妬やスターで有り続けることへのプレッシャーから酒と薬に溺れていく男を見事な歌唱力とパワフルなギター・パフォーマンスで演じたブラッドリー・クーパーの役者魂とスターダムを駆け上がっていく自分自身とスターの座から落ちていく愛する人に対する悲しみを文字通り体を張った熱演で見事に演じきったレディー・ガガの新たなる才能には驚きましたし2人が劇中で歌う心揺さぶられる楽曲も素晴らしく大傑作とまではいかないものの急遽決まった監督業で慣れない部分はあったかもしれませんがブラッドリー・クーパー監督デビュー作としては及第点の作品だったと思います。個人的にはアリーの父親を演じたアンドリュー・ダイス・クレイとジャクソンの兄を演じたサム・エリオットは渋くて良かったですね。70年代映画らしいスケールの大きな前作と2人の内面に深く切り込んでいったパーソナルな本作どちらも魅力のある作品だと思いましたし凡作とは思わなかったですね。
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