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フリー・ファイヤーのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)
3.0
舞台は70年代のボストン。とある廃工場に2組のギャングたちが集結する。目的は30挺のライフルを巡る取引だ。ライフルを買う側はフランク(マイケル・スマイリー)やクリス(キリアン・マーフィー)などのアイルランド人(明言されないけど確実にIRA)の4人組に仲介役の女ジャスティン(ブリー・ラーソン)が1人。売る側は武器商人の南アフリカ系イギリス人ヴァーノン(シャールト・コブリー)に元ブラックパンサー党員のマーティン、プロの用心棒に運転手役のチンピラ2人というバラバラのメンツ。
取引が無事に終わりそうに思えたその時、両グループのチンピラ同士が昨晩殴り合いのケンカをしていたことが判明! ブチ切れるチンピラ2人を止める周囲のメンバーだったが、片方が1発撃っちゃったもんだからさあ大変。廃工場という密室で、銃弾飛び交い現金を奪い合うバトルロイヤル状態に。最後に笑うのは誰だ!
閉鎖状況での裏社会の男たちのせめぎ合いと銃撃戦というと、クエンティン・タランティーノの「レザボアドッグス」を思い出す人が多いけど、この映画はタランティーノやロバート・ロドリゲスの映画に比べて足りないものが多過ぎる。タランティーノは、裏社会の男たちが疑心暗鬼になって緊張感が臨界点に達した時に過激なバイオレンスが炸裂するので、より衝撃的に見える。だがこの映画では、ただのチンピラ同士のいざこざがきっかけなので、そこまでテンションが上がらない。だらだらなかなか死なない奴らがでたらめに撃ち合っているだけのガンアクションも、エキサイトしない。ロバート・ロドリゲスのようなけれん味やアイデアも、ない。
日本映画の「SCORE」はキャラクターがなかなか死なないけど、アイデアやサスペンスの盛り上げ方が、冴えていた。
予告編が一番面白かった映画の典型。
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