くりふ

DEVILデビル/ラマン・ラーガヴ 2.0 ~神と悪魔~のくりふのレビュー・感想・評価

3.5
【殺しのナワさん】

Netflixにて。2016年のヒンディー物件で、日本ではIFFJで上映されたのかな? DVD化はされたようですね。

粘着質だが、どこにでも居そうなインドのおっさんが殺人嬉でしたって話。ドラッグ中毒の刑事が、その事件を担当するが、おっさんに殺しのバディと思われロックオンされる…。

ナワーズッディーン・シッディーキー独演会って感じで、鼻をかむような素振りで人を殺す彼は、他人事として面白い。…んだけど、例えばインドで未だに起きている、カースト違いからの殺人なんてやらかす人間は、このおっさんと大して変わらない気がする。

ナワさん醸す平常ぶりが、インドの禍々しさに直結している感覚を受けました。

OPムービーは懐かしのカイル・クーパーを思わせるが、その凝りっぷりは楽しく、映像全般、それなりにエッジが立っていて少し、刺さる。

でも、お話は単調で、あまり面白くない。ヤク中デカの人物掘り込みが薄く、おっさんのおもろさに比べ、彼のドラマは蛇足に思えてしまう。おっさんストーリーに絞ってもよかったんじゃないか?

肝心の殺人シーンは、肝心なところを見せない。これインドルール? 殺される人たちが皆、素直に殺されてゆくので拍子抜け。火事場の馬鹿力で抵抗するのが一人くらい居てもよくね?

よくできているけど一本調子だなあ…という味わいは、フィンチャー映画を想わせました。

ヒロインのソビタ・ドゥリパラさんは、大粒パーツ顔だが美人で、眺め甲斐あり。が、ちょっと損な役回りかな。

アマプラの新作ドラマシリーズ『メイド・イン・ヘヴン』で主演していると知り、好きなカルキさんも出ているので、機会あったらみたいな…と思いました。

<2020.12.2記>
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