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21世紀の資本のYOUMEのレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
4.0
映画というかお勉強動画。でも700ページ超もある原作、読まねばと思いつつずっと手が出せないでいたので、その内容がこうして映画で手軽に知れるのは本当にありがたい!

現代の資本主義がいかに格差を生み出しているかというお話。今の社会って18世紀のヨーロッパと同じくらいの格差社会らしい、ってことを知ってびっくりしたし、今の社会に対する違和感を叫んでいいんだっていう勇気になったな。

作中に出てきたヒトラー下のドイツがトランプ大統領を出現させたアメリカとめちゃめちゃ似ていてぞっとした……40年経っても、そしてホロコーストという誰もが知っている大惨事が起きてもなお、同じことが繰り返されてしまう。社会の構造がそうなっちゃってるんだよね。格差による貧困をスケープゴートのせいにして、彼らさえ排斥すれば問題は解決するのだと思い込む。問題はそんなに単純であるはずがないのにね。でも教育も生活の質も担保されていない人たちにとっては、そういう安易な解に飛びつくより仕方がないのかもしれないな。。

・経済が生み出すお金のうち労働者が得る割合が減り、資本家が得る割合が増えている。底辺90%はほぼ停滞、成長のほとんどはトップ10%が獲得。アメリカ世帯の中央値所得は25年前とほぼ同じ、インフレ調整した実質賃金は60年前と同じ。期待寿命は低下。経済は多くのアメリカ人にとっては有害だったと言える。
・民主主義はエリート支配になりやすい、非エリートにより時々刷新されないと民主主義では権力と富がますます集中する。
・大型金融機関の融資のうち85%は金融システムを回るだけ。同じ人が資産を売買し価値を吊り上げる。資本主義はもはや労働と無関係になっている。
・経済は生産性を増しているのに生産性向上の恩恵はごく少数の手にしか渡らない。

でも今のシステムで得をしている人たちが権力を持っているから、構造を変えるのはなかなか難しい気もする。でも思考停止せずに、できることを考えて頭と足を動かし続けたい!な!

2022/027
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