catman

鷲は舞いおりたのcatmanのレビュー・感想・評価

鷲は舞いおりた(1976年製作の映画)
4.0
1976年公開のミリタリー・スパイアクション。ジョン・スタージェスの遺作。これもえらく久しぶりに観たところ、主題の割には意外なほどスケールが小さくチープな印象が強くてちょっとビックリ。脚本がユルユルで大甘なんだけど、その辺りはヒギンズの原作とは異なるんだろうと想像。
本作が緊張感に乏しいと感じる要因のひとつは個性が強過ぎる英米のスター俳優たちで、ドイツ軍側に配役されたマイケル・ケインやロバート・デュバル、ドナルド・プレザンス(ヒムラーそっくり)は当然ながらセリフが全て英語なこともあって、まったくドイツ人に見えないこと。そりゃそうだ。ドナルド・サザーランドとジェニー・アガターの陳腐なロマンスも要らないよなー。それとヒトラーの密命を受けてチャーチルを誘拐(暗殺)しようとするドイツ軍スパイを高潔な軍人として徹底的にヒロイックに描いているのも違和感を拭い切れない。

とはいえやっぱりドイツ軍の軍服に身を包んだケインやデュバルはめちゃめちゃカッコよくて、いかにも70年代的なスター映画として楽しめる娯楽作ではある。音楽はラロ・シフリンで、スパイ大作戦テイストのスリリングな劇伴が味わい深い。135分。
catman

catman