からくりの森

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のからくりの森のレビュー・感想・評価

3.5
1941年。
臨時にロンドンに拠点を移していた、チェコスロバキア政府の命を受けた7人の青年による、ナチスドイツの第3権力者と言われたハイドリヒの暗殺。
実話に基づくストーリーだけど、英雄譚ではない。

暗殺後、計画当初から指摘されていたナチスによる報復が現実となり、無関係だった村が、暗殺者を歴ったという容疑で殲滅され、協力者は逮捕・拷問若しくは自決。
暗殺を決行したメンバーも激しい銃撃戦の後、自決。市民5000人以上が犠牲になったという。

ナチスの高官1人の暗殺にそこまでの犠牲を払う意味があったのか、と疑問点を感じざるを得ないけど、ハイドリヒは、その後パリに異動となる予定だったようなので、彼がパリに赴任していたら。。と思うと、それも恐ろしい。

映画を観て疑問に思うのは、ナチス政権は、何故ここまで過激な独裁体制になったのかということ。
ヒトラーも、最初はただの党員だった。党自体も、選挙で第1党になっただけだったはず。
独裁は1度レールに乗って走り出すと、誰にも止められない性質があるように思えて、今現在でも、常に警戒しておく必要があるのでは、と感じる。