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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のHKのレビュー・感想・評価

3.7
原題は“Anthropoid”(エンスロポイド)。
意味は“類人猿” ・・・え?
なんのこっちゃですが、これは第二次大戦中に実際に行われた暗殺作戦のコードネーム。
聞いてすぐ作戦の内容がわかるような作戦名じゃマズイわけです。
でも今となっては有名な作戦名だそうで。私は知りませんでしたけど。

実話ベースのこの作戦のターゲットとなったのは、ナチス親衛隊の大物幹部でユダヤ人絶滅作戦を指揮し、あのヴァンゼー会議の主催者でもあったラインハルト・ハイドリヒ。
でも邦題はなんだか長いし安っぽくなってしまいました。

イギリスとチェコスロバキア両政府による命令で7名のチームがパラシュートでナチ占領下のプラハに侵入。
しばらく現地の協力者のもとに身を潜め情報収集を重ね、ついに暗殺決行の日がやってきます。

ついに作戦開始! しかし、ここぞというときにステン短機関銃が不発・・・
あれ? このシーン既視感があるぞと思ったら、昔TVで観た1975年の『暁の7人』(原題“Operation Daybreak”)が同じくこの作戦を描いたものだと後から知りました。
本当の作戦名は“暁作戦” じゃなくて“エンスロポイド作戦”だったということですかね。

『暁の7人』でハイドリヒを演じたのは、かのドイツ軍将校専門(?)のドイツ人俳優アントン・ディフリング(『テレマークの要塞』『誇り高き戦場』『荒鷲の要塞』)でしたが、本作でハイドリヒを演じたのはやはりドイツ人俳優のデトレフ・ボーテという人。

驚いたことにこのボーテという俳優、ハイドリヒ本人にソックリ。
まさか本人のはずないのでCGかと思ったら、なんと本作を含め3本の映画とBBCのTV番組でハイドリヒを演じているという筋金入りのソックリ俳優だとか。
とにかくよく似てます。 先日観た『ヒトラーのための虐殺会議』のハイドリヒもこの人がやればもっと説得力が増したでしょうに。

本件は唯一のナチス高官の暗殺成功例だそうですが、その後のナチスの常軌を逸した報復の恐ろしさたるや・・・
チェコ・イギリス・フランスの合作です
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