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RAW〜少女のめざめ〜のtakatoのレビュー・感想・評価

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)
4.3
 久々に読み解きが必要な作品。説明なしの象徴的なシーンが多かったり、表面上で演じられてることの裏を考えさせてくる。全体的に非常に映像が美しい。ありふれた物を映しながらも瑞々しい感性が全体的に感じられる。だから画面上では物凄いことが起こっててもそんなに不快じゃない
のと、異化効果で良い感じになっているところもある。

 そんで私なりの解釈だが、ここで描かれてる食人とは性の解放、もしくは女性の自我の目覚めの象徴に思える。ベジタリアンで優等生過ぎる主人公が肉食を体験することで文字通り肉食系になるのだ。そこまでは割とそのまんまなのだが、終盤の展開を見るとそれだけとは思えない。ここら辺から感じたのは、女性の我という問題である。

 近代になってウーマンリブとかの流れがあって女性はドンドンドンドン我を持てるようになった。しかし、日本の恋愛飢餓状態を見ても明らかだが、我に目覚めてしまった女性は時に男性を委縮させ、傷付けてしまう。男性が弱くなったというより、女性が本来持っている強さを出せるようになってきたというべきかもしれない。目覚めてしまった自我はもう眠らせられない。どうそれをコントロールするかにかかってくる。ラストの場面は?。お前はどうそれに対処するか?って問いかけに思えた。
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