えんさん

銀魂のえんさんのレビュー・感想・評価

銀魂(2017年製作の映画)
1.0
時は江戸時代末期。宇宙からやってきた天人(あまんと)の台頭により、江戸の街は高層ビルが立ち並び、空には宇宙船が行き交っていた。その天人たちが発した廃刀令により、幕府の中心だった侍は今や衰退の一途。そんな時代にも存在し続ける、風変わりな侍・坂田銀時は、とあることから志村新八、神楽ともによろずのことを引き受ける万事屋を立ち上げることになる。彼らの周囲で様々な騒動が巻き起こっていく。。空知英秋による人気コミックを「ミュージアム」の小栗旬主演で実写映画化。監督・脚本は「HK 変態仮面」シリーズの福田雄一。

原作コミックも、アニメ化されている作品も知りませんでしたが、何となく、江戸時代に黒船ではなく、宇宙からの侵略者がやってきた場合の日本の風景というのが面白そうなので鑑賞してみました(なんか、似たようなアニメがあったよな、、と思ってたら、「BLEACH」と完全に間違えていました。。笑)。ナンセンスな世界観を様々なギャグで押し切っていくというのが、原作の面白さなんでしょうが、そのナンセンスな世界観を表現するという意味では、さすがに「HK 変態仮面」の実写化などで定評がある福田監督の持ち味は活かされていると思うものの、物語全体をダイナミックに動かしていく幹みたいな部分が相当にヌルいので、各シークエンスと作品全体が空中分解を起こしているように思えてなりませんでした。「HK〜」のときは、登場人物が少なく、核となるとが主人公だけだったのに対し、本作は銀時だけでなく、様々なキャラクターが出てくるだけに余計に焦点が定まっていないように感じます。これも少し致命的かと。。

笑いのエッセンスが最高なのですが、この辺り、同じ原作モノを大胆にアレンジする三池崇史監督(「ヤッターマン」など)に比べると、ダイナミズムに欠けるかと思います。三池監督は少々無理なアレンジ設定でも、全て映画作品という枠に詰め込んでかき回してしまうのに対し、福田監督は1つ1つのナンセンス描写は上手いのですが、それを延々とつなぎ合わせてしまうので、作品通して見ると間延び感が否めないのです。でも、著作権的に大丈夫かと思うような素材まであげつらうギャグセンスは最高ですね。このギャグセンスが原作由来のものなのなら、ちょっとコミックのようも読んでみたいなと思わせる作品でした。