ShimaD

Death Note/デスノートのShimaDのネタバレレビュー・内容・結末

Death Note/デスノート(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「一般人がデスノートを手にしたら」というifストーリー。

監督のアダム・ウィンガード、大好きなんです。
出会いは『サプライズ』。そのタイトル通り、思ってたのと違うけどむしろいい!というサプライズを味わえた妙作。
大大大好きな『ザ・ゲスト』はスリラー&アクション&moreなので何度でも楽しめる怪作。
世間的評価は低めな『ブレア・ウィッチ』も有名作を豪快なモンスタームービーへと変貌させた問題作。
ついには『Godzilla vs. Kong』の監督にも抜擢されました。

ジャンルの壁超えがち監督として注目を浴びる彼の新作がこの『Death Note/デスノート』です。
あいかわらず「ホラー」「サスペンス」「アクション」などをごちゃ混ぜにしてオリジナリティを発揮していました。
そしてナイスゴア。まるで『ファイナル・デスティネーション』ですねぇ。


そうです。これはみんなが知ってる『デスノート』ではなかったです。ライトも夜神月ではない、LもLではない、リュークもリュークじゃない。みんな違ってみんな良い!(錯乱)

本作の主人公・ライトくんは短慮で頭に血が上りやすいところがあります。まぁ月も序盤はやらかしてましたが。
リューク登場の際のコメディチックなリアクションがチャーミングじゃないですか。これで(あ、この子は別人なんだな)ってわかりやすい。
最初の動機が復讐というのもわかりやすくて馴染みやすい。

人前で堂々とデスノートを広げて眺めたり、ホレた女にデスノートを使って見せちゃったり、Lに殺人の能力を他人に譲れる(ノートだから渡せちゃう)ことをあっさり気づかれちゃったり、U・KA・TSU!


Lさん、黒人キャストである点は個人的にはおもしろいかな、と思ってました。
彼もLではないので、感情的になりますし、銃を持って追いかけっこします。果ては怒りに任せて復讐を…!?

中盤で「私は殺さない、銃を持つのもイヤだ。法に裁いてもらいます」と言っていたのにこの体たらく。
好意的に見たら「信念を捨て去るくらいワタリの死がショックだった」ということなんでしょうが…。

リュークはそれっぽいな、と思いましたが観覧車を崩壊させるところでムムムとなりました。やっぱり別人だったかー。


デスノートのルールに自由度がありすぎるのは気になりましたね。原作じゃああんなに操れるものじゃなかったはず。
100近くルールがあるはずなのに判定激甘っ!ワタリに至っては電話で指示されちゃってますからね。ノート関係あるん?もうむちゃくちゃ。

人物描写の違いはいいですよ、完コピである必要性は感じませんから。でもね、原作からのルールは逸脱しないほうがいいですって。
限定的な条件下で心理戦が繰り広げられるからこそ原作があんなに面白かったんだもの。

アダム・ウィンガード監督や脚本家は「ノートのルールめんどくさっ!」と思ったみたいで、ライトにも「There are so many fucking rules.」って言わせちゃってますね。
100分ほどで収めなきゃいけない制限があったのでしょうから苦心したとは思いますが…。


続編が作られることは絶対ないと言い切れますが「Lがデスノートを使用して第二のキラになるのでは」 という想像もできるラストはよかったです。
クリフハンガーが大好物なのでこの終わり方は気に入りました。

原作の第二部では「キラがLになる」という展開でしたが、その逆の「Lがキラになる」というパターンは原作のLでは絶対にあり得ないからこそ、この表現の先に興味があったのですが…。ざんねーん。
ShimaD

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