風の旅人

シュガー・ラッシュ:オンラインの風の旅人のレビュー・感想・評価

3.5
変われない男と変わっていく女。
町山智浩が本作と『アリー』『ラ・ラ・ランド』の類似性を指摘していたが、ヴァネロペがインターネットという新しい世界で自分の居場所を見つけるのに対し、ラルフは古き良きゲームセンターから出ることを望まない。
過去の栄光や恋愛を忘れられないのは男性の方で、女性はそれをバネにして前へ進んでいく。
本作に登場する自立した女性シャンク姐さんの声を『ワンダーウーマン』のガル・ガドットが担当しているのは示唆的である。
女性の社会進出が進んだ現代のプリンセスは、ただドレスを着て王子様を待っている存在ではなく、ドレスを脱ぎ捨て戦いに身を投じていく。
歴代のプリンセスたちが一堂に会して楽屋話で盛り上がっている様は微笑ましく、何でもネタにしてしまうディズニーの底力を感じた。
カプコンやセガのゲームキャラクターが登場したり、レースゲームが重要な役割を担うなど、同じく仮想空間を舞台にした『レディ・プレイヤー1』と共通する部分があるが、個人的にはこちらの方が楽しめた。
ただラルフウイルスが出現してからの展開は尻すぼみに終わって残念だった。
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