Inagaquilala

パーフェクト・タイム 100億分の1の奇跡のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

3.2
冷たい雨が降り続いて陽の光が恋しくなっていたので、たまたま目についた「サーファー」という言葉に引かれて観賞。そういう気分でもなければ、たぶん観なかっただろう。

ニュージーランドに住む24歳のサーファーの青年が、100億分の1という奇跡の波を求めて旅に出る。舞台はオーストラリア、インドネシアのバリ島、南アフリカのケープタウン、そしてインド洋に浮かぶモーリシャスと、何故か主人公は南半球のサーフポイントばかりを訪れる。

サーフィンならハワイだろうと思うし、何故、赤道より上に行かないのだろうと思っていたら、この映画、南アフリカ、ニュージーランド、インドネシアの合作映画だった。ただ自分的にはこのあまり馴染みのない場所でのサーフィンのシーンはなかなか素晴らしい。

その訪れたバリ島で主人公は恋に落ちるのだが、このあたりまでは観光恋愛青春映画としては、寒い国でこれを観ている自分の用途には合っていた。ただ恋愛といっても、物語がなかなかベタで、まるで「テラスハウス」のようなリアリティーショーを観ている感じで(音楽の入れ方が「テラハ」っぽい)、途中からダレてくる。

実は、この映画、最後は思わぬ展開になるのだが(もちろんどんでん返しなどではない)、主人公が探しに行った奇跡の波も出てくることはなく、まったく作品の趣旨が変わっていく。

前半その臭いを感じないでもないのだが、サーフィン映画だと思っていた自分としては、なかなかの驚きでもあった。もし、その驚きを確認したいのであれば、冷たい雨が降る冬枯れたの日に、観てみるのもよいかもしれない。
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