Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価

Inagaquilala

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念願だった「冒険者たち」の舞台、Fort Boyard(プロフィール画像)に行ってきた。この映画を初めて観た頃、よく登場人物に成りきって劇場を後にしていた。
観賞記録は、自らの備忘録として書いているので、参考程度に。基準値は3.5、それより上なら◯、それより下ならX、4.0以上はお薦めです。
ベストムービーは2016年公開のものからセレクト。

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

古い言葉で言えば「藝術と実生活」、トーマス・マンなら「トーニオ・クレーガー」、日常生活と詩作の間の相克に悩む主人公は、監督のアレハンドロ・ホドロスキー自身。自伝的作品であった「リアリティのダンス」の続>>続きを読む

不都合な真実2:放置された地球(2017年製作の映画)

3.9

前作からもう10年以上も経つのかというのが正直な感想だ。前作の製作は2006年で、第79回のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞と主題歌賞の2部門を受賞し、大きな反響を巻き起こした。今作では前作に対す>>続きを読む

ゆらり(2017年製作の映画)

3.5

物語は現在、未来、過去の3部構成で語られていく。現在から未来への移行がやや唐突なので、戸惑うのだが、小道具やエピソードの重複で割合すぐにその時間関係は判明する。いずれのエピソードも母と娘の関係を描いた>>続きを読む

人生はシネマティック!(2016年製作の映画)

3.8

まさかクリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」に便乗したわけではないと思うが、この作品のなかで撮られる映画のタイトルは「ダンケルク」だ。とはいえ、時代と舞台は1940年のロンドン、ちょうどダンケル>>続きを読む

ネルーダ 大いなる愛の逃亡者(2016年製作の映画)

4.0

ナタリー・ポートマンがジョン・F・ケネディ元大統領夫人であるジャクリーン・ケネディを演じた作品「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」で初の英語作品のメガホンをとったチリ人監督パブロ・ララインが、>>続きを読む

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ(2017年製作の映画)

3.7

寺山修司の映画「田園に死す」の一場面に似た新宿街頭でのシーンが登場したり、主人公のアキが所属するサーカス団が同じく寺山の劇団「天井桟敷」を彷彿とさせたり、自分としてはかつて享受していた寺山修司的世界が>>続きを読む

ジグソウ:ソウ・レガシー(2017年製作の映画)

3.5

ちょうど本業が忙しかったためか、「Saw」シリーズが立て続けにつくられていた時期、映像作品自体あまり観ることがなかった。それもあって、飛び石的にしかこのシリーズを観てはいないのだが、物語的にはこれまで>>続きを読む

MASTER マスター(2016年製作の映画)

3.9

経済事件が題材ということもあり、前半が少し説明的で重い展開だが、イ・ビョンホン演じる金融犯罪のプロが海外に逃亡してからは、かなりテンポの良い展開となる。舞台もソウルからフイリピンのマニラに移り、スケー>>続きを読む

ザ・サークル(2017年製作の映画)

3.8

なんとも中途半端な幕切れというのが正直な感想だ。SNSがもたらすコミュニケーション社会を描いた作品なのだが、全世界の人がつながることで不安のない理想社会ができるのか、はたまた作中でSNS企業の代表を演>>続きを読む

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

4.0

前編と後編に分かれていて、あまり時を経ずして公開される作品の場合、概ね後編より前編のほうが良い場合が多い。作品の入り口となる前編に力を入れてつくるからかもしれないが、後編のほうが素晴らしかった例をあま>>続きを読む

セントラル・インテリジェンス(2016年製作の映画)

3.7

物語は20年前から始まる。ボルティモアのセントラル・ハイスクール、片や「将来もっとも成功しそうな人間」に選ばれた人気者のカルヴィン、片や肥満児でいじめられっ子のロビー。卒業式の日、「ゴールデン・ジェッ>>続きを読む

グッド・タイム(2017年製作の映画)

3.8

作品が始まるとまずカウンセラーと患者の会話が始まる。それがしばらく続くと、患者の兄コニー(ロバート・パティンソン)が乗り込んできて、弟をその場から連れ去ってしまう。いきなりふたりの会話のシーンが続くの>>続きを読む

エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる(2011年製作の映画)

4.0

「シンクロナイズドモンスター」のナチョ・ビガロンド監督が2011年に母国スペインで製作した作品。脚本も同じく彼自身が手がけている。「シンクロナイズドモンスター」では、韓国のソウルに出現した怪獣がアメリ>>続きを読む

DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)

3.4

西岸良平の原作に、監督は山崎貴、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの組み合わせで新たに挑戦したファンタジー作品。「鎌倉ものがたり」とあるので、当然の如く、鎌倉という場所が全面的にフィーチャーされて>>続きを読む

ポーカーの果てに(2017年製作の映画)

4.1

東京国際映画祭「アジアの未来」の1本。トルコの作品だ。週末の夜、主人公は友人たちを集めてポーカーで遊ぼうとしているが、外では反政府のデモが激しさを増している。まずこのポーカーと反政府デモの組み合わせが>>続きを読む

老いた野獣(2017年製作の映画)

3.9

東京国際映画祭「アジアの未来」出品作品。コンペティションでは藤本明緒監督の「僕の帰る場所」と作品賞を争ったが、「スペシャルメンション」が授与された。「スペシャルメンション」というのは、「審査員特別表彰>>続きを読む

ナポリ、輝きの陰で(2017年製作の映画)

3.8

ちょっと驚いたのは、この作品に主演している父親と娘さんは実際の親子で、しかも演技はほとんど初めての素人だということだ。作品の原題は「Il Cratere」、英語表記だと「Crater」で、天体衝突でで>>続きを読む

シップ・イン・ア・ルーム(2017年製作の映画)

3.6

東京国際映画祭コンペティション部門の1本。「シップ・イン・ア・ルーム」というタイトルに惹かれて観賞。人生で初めて観るブルガリア発の作品。冒頭の走る列車から写した映像がまず印象的だった。このシーン結構長>>続きを読む

74歳のペリカンはパンを売る(2017年製作の映画)

3.2

タイトルにある「74歳のペリカン」とは人物ではなく、ペリカンという店そのものである。つまりこの作品がつくられた2016年でペリカンは創業74年を迎えたということである。作品のなかでは、「浅草」という地>>続きを読む

現れた男(2017年製作の映画)

3.3

東京国際映画祭「アジアの未来」の1本。公式パンフレットには「タイ文学界の若きカリスマ、プラープダー・ユン2本目の監督作」とあるが、彼は1973年生まれで、「若き」とは言えない感じだ。それとも、タイでの>>続きを読む

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.1

ゴッホの絵にはただでさえ動きを感じるのに、この作品ではゴッホの絵がそのままアニメーションとなって、縦横無尽にスクリーンを動きまわる。実際、ゴッホの絵のタッチを生かした油絵が6万5000枚も描かれ、それ>>続きを読む

アダルトスクール(2003年製作の映画)

3.7

のちに「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(2009年)で大ヒットを飛ばすトッド・フィリップス監督の2003年の作品。ちょっと疲れた頭には、トッド・フィリップス監督の馬鹿騒ぎコメディ>>続きを読む

グッドランド(2017年製作の映画)

3.8

東京国際映画祭で観賞。コンペティション部門でグランプリに輝いたトルコ映画「グレイン」も観てはいるが、自分的にはこちらの作品のほうが観応えがあった。ルクセンブルクの新鋭ゴビンダ・バン・メーレが監督と脚本>>続きを読む

リュミエール!(2016年製作の映画)

4.2

これは映画ファンなら必ず観ておきたい作品だ。自分は東京国際映画祭で観賞、この直後に一般劇場での公開もスタートしたが、日本全国でわずか4館。映画史のスタートを垣間見ることのできる作品の公開がこれほど少な>>続きを読む

氷菓(2017年製作の映画)

3.7

この作品で注目したのは、広瀬アリスが果たして高校生役を無事にやりおおせるかという点だった。広瀬アリスは22歳、12月生まれだからまもなく23歳になる。かたや妹の広瀬すずは19歳、先日、観たばかりの「先>>続きを読む

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

4.2

これは素晴らしいドキュメンタリー作品。原発や地球温暖化に対しても発信を続ける音楽家・坂本龍一に2011年から5年間密着して、彼の音楽の現場はもちろん、世界各地に飛んで彼の探求する音と思考を追った貴重な>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.6

好きな俳優のひとりであるジェイク・ギレンホールが出演しているので、公開2日目に劇場に出かけた。ジェイク・ギレンホールは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「プリズナーズ」や「複製された男」に出演しているが、同>>続きを読む

シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

3.9

これはもう奇想というしかない。なにしろ韓国のソウルに現れた巨大怪獣が、アメリカの田舎町に住む主人公とシンクロしてしまうのだから。ニューヨークでライターとして働いていたグロリア(アン・ハサウェイ)は仕事>>続きを読む

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.4

残念ながら少し早く日本で公開された「ゲット・アウト」ほどの恐怖を、この作品から感じなかった。恐れを感じる少年少女たちだけに見えるという「IT」(町山智浩氏によれば「IT」とは「それ」でなく、鬼ごっこの>>続きを読む

メイド・イン・ホンコン(1997年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭ワールド・フォーカスで観賞。1997年、返還直前の香港で、監督・脚本のフルーツ・チャンが、フィルムは期限切れのものを集め、役者は素人をキャスティングして、8万ドルという低予算でつくった作>>続きを読む

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

3.5

設定が異色な作品だ。21世紀後半の未来社会、膨れ上がる人口とそれに反比例する食料不足で、政府は厳しい一人っ子政策をとっていた。もし二人目以降の子供が生まれたら、政府が引き取り、食料問題が解決する未来ま>>続きを読む

潜入者(2015年製作の映画)

4.0

今年5月に日本でも劇場公開されたのだが、油断していたらあっという間に終わってしまい観逃していた作品。すぐにこうしてタイムラグもあまりなく配信で観られるのが嬉しい。人気テレビシリーズ「ブレイキング・バッ>>続きを読む

フィツカラルド(1982年製作の映画)

4.2

それにしても、この作品の、アマゾン川を遡上してきた客船が陸に上がり山を越えていくシーンは、いま観ても凄い。封切り時にスクリーンで目にして度肝を抜かれたが、年を経てもその驚きは変わらない。いまほど特殊撮>>続きを読む

ノック・ノック(2015年製作の映画)

3.9

キアヌ・リーブスがよくもこんな役に挑戦したなというのが正直な感想。なにしろ深夜に訪ねてきた見も知らぬ女子2名に誘惑されて、不適切な関係を結んでしまい、翌朝になってから、その女子たちから脅され、作品の中>>続きを読む

暗黒街(2015年製作の映画)

3.6

全体的に映像は暗く、そのうえ次から次へと出てくる悪い奴らの見分けがつかなく、ちょっと油断するとスクリーン上で迷子になりそうな作品。2011年11月12日、イタリアのベルルスコーニ首相が退陣表明する直前>>続きを読む

ル・コルビュジェとアイリーン 記憶のヴィラ(2015年製作の映画)

3.7

これは近代建築の巨匠ル・コルビュジエの物語ではない。ル・コルビュジエはこの作品のなかでは、「第四の壁」(観客)に話しかける狂言回しの役回りだ。作品の主役は、史上最高額で落札された椅子を手掛けたことでも>>続きを読む

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