吉田恵輔監督のオリジナル脚本でつくられた作品。期待が大きかっただけに、やや肩透かしされたような作品かも知れない。万引きしようとした女子中学生をスーパーの店長(松坂桃李)が咎めるが、逃げようとした彼女が道路を渡ろうとした際に車に轢かれて死んでしまう。彼女の父(古田新太)がスーパーに現れ、店長に娘は万引きなどしていないと訴える。この古田演じる父親が次第にモンスター化していくのだが。古田の演技はまさにハマっており、作品は彼に引きずられるように展開していくのだが、物語的にはどこか物足りなさを感じてしまった。登場人物の背後に控えるバックストーリーがもう少し欲しかった気もする。
