2015年の韓国映画。主演はキム・ユンソクと、カン・ドンウォン。動員数500万人越えのヒット作。
悪魔祓いが題材の映画で、とにかく怖い。だが単なるホラー映画とは一線を画す格式の高さが本作にはある。ホラー映画としての怖さはもちろんだが、人間ドラマとしてしっかり作られている。神父も完璧な存在ではなく、ひとりの人間なのだと感じさせる物語。カン・ドンウォン演じる若い司祭の内情を描いたドラマにそれを強く感じた。キム・ユンソク演じる神父も、人間味のあるキャラクターである。悪魔に乗っ取られた娘を救うため、二人が懸命に戦う姿にはぐっとくる。悲しくも美しい物語で胸がいっぱいになった。
キム・ユンソクと、カン・ドンウォンの存在感はさすがである。だがそれに負けないパク・ソダムの熱演に驚く。悪魔と一体となった狂気の様も凄いが、穏やかな表情の時に見せる純朴さの表現にも目を奪われる。彼女は本作で第37回青龍映画賞の助演女優賞や、第52回百想芸術大賞の映画部門女性新人演技賞を受賞するなどして絶賛された。2019年のポン・ジュノ監督映画『パラサイト 半地下の家族』で長女・ギジョン役で出演するなど、その後の活躍も目覚ましい。彼女の確かな演技力が、本作に表れていた。
韓国映画は描写が生々しいから余計に怖い。これから儀式が始まる時の不穏な空気感が一番怖かった。あと虫の描写はちょっと勘弁してもらいたかった・・。あれは血の気が引いた。
怖いと思い敬遠していたが、評価の高さ通りの良作であった。質の高さで言えば、韓国のホラー映画でも最上位の作品だと思う。怖いだけなら他にもあるだろうけどね。ホラー映画で感動して泣くとは思わなかった。キャストがそもそも質が高いので安心して観ていられる。途中ちょっとマンネリするが、後半の盛り上がりは熱い。ラストは爽快だった。
