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DRAGON ドラゴンのmanamiのレビュー・感想・評価

DRAGON ドラゴン(2015年製作の映画)
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2024年ということで、こちらを。
古今東西、枚挙にいとまがない異類婚姻譚。「自分とは違う考え・境遇の者に心惹かれる」を突き詰めた形ということだろうか。今作でも恐ろしいドラゴンと、生け贄として捧げられた美少女が恋に落ちる。特別な力を秘めた歌、孤島、勇者、伝承、などという、いかにもな要素も盛り込まれたダークファンタジー。
これ系ってまずは「美しさ」が重要よね。「人」の顔貌の美醜に限らず、ドラゴンならドラゴンの美しさでしっかり魅了してくれることが、この世界への没入度に大きく関わってくる。
その点では今作、素晴らしく美しい。公爵の娘であり、勇者の孫と結婚する日を迎えた「花嫁」であるミラが完全に美少女!機械的・人工的な麗しさではなく、まだあどけなさも残る、とても人間らしい可愛らしさなのが、役にぴったり合っている。彼女の子どもっぽさが、ドラゴンとのシーンをピュアに留めることに、少なからず貢献している。
そして美しくも悲しい存在であるドラゴンの、人としての姿がイケメンマッチョで、これまた完璧なビジュアルバランス。ストーリー的には『美女と野獣』なんだけど、ドラゴンのこの美しさで『美女と美男』になってるよな。
花びらで風を見せるシーンは美しさの最高潮だし、二人が暮らすことになる絶海の孤島も行ってみたくなる。島の方が陽光が明るくさし、ミラの故国の方がどんよりと描かれているのも分かりやすい。
「直接触れることなく運ぶ方法、ちょっと考えるだけでいくつもあるでしょ」ってツッコむのは我慢できても、場面転換が杜撰なのには度々閉口する。作品全体の構成を鑑みても、変に行き来させずストレートに進める方が間違いなく合っている。

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