ヨルゴス・ランティモス作品の中でも、というより映画の中でも凄く好きな一作でした。
家族の中で誰を選ぶのか、それとも選べないままなのか。『命』がテーマで内容自体も非常にシンプルな作品なのに、画面の配置や不協和音で奏でられる音楽、一人ひとりの淡々とした演技・会話に至るまで、全てが滑稽かつ恐ろしく感じました。
映画館では真ん中辺りで観ていましたが、ホラーじゃないのに顔を背ける人が前の方でちらほら見える、そういった凄みがあるシーンが多かったです。
『ロブスター』から引き続きコリン・ファレルの頼りなさそうな男感が結構好きです。そしてバリー・コーガンの演技が不気味でずっと引き摺りそうでした。