これ、『ロブスター』のヨルゴスランティモス監督×コリンファレルのタッグの作品だったのか。
なんか奇妙なサムネイルとニコールキッドマンの印象しかなくて、『聖なる鹿殺し』という不気味で物騒なタイトルとFilmarksのレビュー数が多いのが気になってたら、、、実はスゴいタッグの作品だった。
『ロブスター』と『聖なる鹿殺し』、両方“生物”が絡むタイトルだが、この監督、ある種の“スゴさ”というか、インパクトがある。
ホラーというより、ヌルッとしたスリラーというかサスペンス。
なんか奇妙な違和感というのか、不協和音というか。
清潔な感じなんだけど、無機質というか淡々としているけど、確実に“何か”が迫っていているという切迫感。
心臓外科医のスティーブン、コリンファレル。美しい妻、ニコールキッドマン。
2人の子供と豪邸に住んでて何不自由ない、いわゆる富裕層的な生活。
そこに現れる1人の青年、マーティン。
スティーブンが過去にオペを担当して死なせてしまった患者の子供、らしい。
その青年と出くわしてから、彼を気にかけるコリンファレルだったが、徐々に何か変な雰囲気になってくる。
この青年の挙動が鬼気迫るというか、なぜだかコリンファレルが心理的に追い込まれていくような。
この青年がコリンファレルの家に来て以来、さらに違和感に拍車がかかり、それどころか、2人の子供に異変が起き始める。
それは全ての始まりで、コリンファレルはこの青年から“とても信じられない話”を聞かされ、その恐ろしい“決断”を委ねられることになる、、、。
この青年、ホントに不気味。
途中から彼が完全に狂気じみてくるが、それはそれでコリンファレルに原因があったり、後ろめたさがあったり。
そこからこの青年以外のコリンファレルやその家族も、徐々に心理的に破綻していき、追い込まれていく。
ジワジワとでも確実に。
この青年の不気味さも、そもそも起こっている状況の説明もつかないままに、どんどんと事態が悪化していく。
不協和音と言えば、実際の演出としてそういう音が各所に散りばめられていて、もう、本当にザワザワさせられる。
この青年が“何か”をしているような、コリンファレルも抵抗しているような、諦めているような、“その時”を待っているような。
この監督の独特の“タメ”というか、沸き出てくるようなテイスト。
冒頭の“心臓”しかり、本当にヌルッと居心地の悪さを体感できる作品。
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