Masato

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのMasatoのレビュー・感想・評価

3.4

やはりヨルゴスとは合わない…さすがに本作はコメディ色無いからFavouriteやロブスターよりも面白くは感じたが…うーん。

円満な家族が1人の少年の訪問によって崩れ去る映画。内容的にはホラーといっても差し支えない。というのも、何者かの訪問によって、主人公の過去があぶり出されていくという点で「来る」や「ミスト」などと構成が全く同じ。要するに、ホラーにありがちな内容。

また、全体的にはファニーゲームの二番煎じ感が強い。ずっと歯車が合わないような不快でぎこちない雰囲気。クライマックスのシーンはファニーゲームをオマージュしたかと思うほどのビジュアル。上記の過去を炙り出すという点でもハネケの作風とも似ているし、とにかく快く終わることが絶対的に不可能なストーリーで鬱映画の素質がある。

復讐と生贄が取り巻く内容。病院という科学的なものに対して、呪いという超自然的な題材が対比構造となっているが、そこらへんの医師である主人公の葛藤があまり見られないのが意図的なのかミスなのか。一応あるにはあるのだけれど、カットされたように急に受け入れてしまうので、もっと丁寧に描写すべきだと思う。

ダンケルクに出てたバリーコーガンが凄くいい演技をしている。見ていて死ぬほど腹立つけど、やるせない過去を持っている。プリズナーズのポールダノ並みにイラつく役似合う。

とても好きなテーマ性だけども、イマイチ乗り切れない。
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