わさび

ギフト 僕がきみに残せるもののわさびのレビュー・感想・評価

3.8
映画というよりは長編ドキュメンタリー映像だった。冒頭のビデオレター撮影で早くも涙が…。
かつてのフィールド上の英雄は、ALSを周知、支援する団体の顔に。
認知ははっきりしているのに身体が動かなくなっていく病の辛さ。本人はもちろん、周りの人達の辛さも伝わって、苦しい。
初めての妊娠出産や育児、本来なら自分(と赤ちゃん)のことが一番心配で不安で負担が重く、助けを求めたい、甘えたい時に夫が不治の病にかかっていて、介護も並行して行わなければならなかった妻側のことを考えていた。夜、音声出力の機械を使った、2人の会話の重苦しさに息が詰まる。聖人君主になりたいんじゃないし、悪人になりたいわけでもない。彼女の苦悩が集約された言葉だと思った。
病気は誰にでも起こりうること。自分や愛する人がそうなった時、自分は彼らのように強い気持ちを持ち続けることができるだろうか。
今も同じ空の下、戦い続けているであろう彼らのことを思う。