tdswordsworks

サバイバルファミリーのtdswordsworksのレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
3.8
矢口監督の映画は「WATER BOYS」しか観たことがありませんでした。どれも狙いすぎてる感じがしてなんとなく食指が伸びなかったのです。なので、あまり気乗りせずに映画館に向かいましたが…想定外におもしろかった!

いくつか思ったことを。

・見終えたあとに思い起こすと、時任家は大爆笑すべき人たちなんだけど、人間の嫉妬心は沈黙を呼ぶだけ。僕自信も漏れなく。

・生き物を追いかける場面の絵ヅラの良さは鉄板。この映画はそれを最高の展開に仕立てていて、見所の一つと言っていい。

・都会は分業の社会。文明の発展とは、インフラや基礎技術に依存し、それに関する知識を不要にすること。自動車が動く仕組みを理解できなくても自動車を運転することはできる。
けれど、この家の長男が、アレを飲料水として使えることに気づいたり、鹿児島まで何日かかるのか見当をつけたり、野良犬に餌付けする妹をたしなめたりと、地味に大活躍してたのをみると、教養は不測の事態が起きたときにサバイバルするために人間だけが身につけることのできる最大の武器なんだと思った。

・家族が題材なので仕方ないけれど、単身世帯が独居老人しか出てこなくて、悲劇や悲哀一辺倒の描かれ方しかされなかったのが物足りなかった。

・電気どころか電池も一切使えない非常事態のシナリオ、政府にないのかな。

・固定カメラのエンドロールが力強かった。
tdswordsworks

tdswordsworks