ヤグ

サバイバルファミリーのヤグのレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
3.2
『電気の消滅が家族を家族らしくさせる』

【あらすじ】
東京で暮らすごく普通の家族の鈴木家。ある日、電気を必要とするあらゆるものがなぜか使えなくなり、東京は大混乱に陥ってしまう。交通機関や電話、ガス、水道まで完全にストップした生活に人々が困り果てる中、鈴木家の亭主関白な父・義之は、家族を連れて東京を脱出し、義父のいる鹿児島を目指すことを決意する。

【映画で学んだこと】
①改めて電気が我々の生活に欠かせないことがわかった。世の中は時代の流れとともにどんどん便利になっていくが、その反面人間は昔と比べるとモノを使わないと生活できないようになっている。特に電気は切っても切り離せない存在であり、もしも電気が無くなったらという実際に起こりそうな世界を再現したことによって、自分が同じ立場ならどうしているだろうと考えながら見れた。
②こういった社会問題が起こったときお金の価値が無くなっていくのは面白かった。直接お金が食べられるわけでもないし、移動手段になるわけでもない。お金より食料や水、自転車の方が価値が出てくる描写は印象的だった。所詮ただの紙切れであるため、日本が危機的状況に陥ったときにお金をいくら持っていても意味がないと思った。

【感想】
実際に起こりそうな現象を描いていたからこそ、もう少しリアリティを出して欲しかった。まず服装や顔がきれいすぎる。お風呂とかに入れるわけではなかったのに、1ヶ月、2ヶ月経ってもあまり汚れていなかった。またヒゲや髪が伸びて来ないのもおかしい。男性であれば2、3ヶ月も経てばヒゲがかなり伸びてくるだろうが、鈴木家を含め、ほかの人も一切ヒゲが伸びてないのはさすがにおかしい。他にもいろいろおかしい所があり、そこばかり気になって物語に集中できなかった。また兄が好きな女の子のエピソードが何も生かされておらず、ストーリーにいらなかった。
ただ父親が最初は口ばかりで何もしていない家族からも疎まれている存在だったのが、後半になるにつれ、家族のために頭を下げるなど、父の成長を感じられたのは良かった。しかし家族全体としては家族全員で何かを成し遂げようとするシーンが少なく、家族が団結する様をいまいち感じにくかった。だから結局家族の成長や団結も電気が無くなった世界のリアリティさも中途半端に描かれている印象だった。
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