無知A

傷だらけの悪魔の無知Aのレビュー・感想・評価

傷だらけの悪魔(2017年製作の映画)
3.1
いじめとは何なのか。なぜ起こるのか。どう向き合っていくべきなのか。これらについて、模範的な答えを出した作品だった。特に、驚きの展開というものはなく、セオリー通りで安定していた。だが、最後の最後で形を崩してきた。この最後の場面で言っている事は至極真っ当なのだが、ギャグが視認出来る。私は、このギャグを入れる必要があったのかよくわからなかった。いじめが題材である以上、ユーモアをまぜるのは難しく、場合によっては作品を崩してしまいかねないと思うのだが、見事にやらかしてしまっているように思う。

また、原作が漫画なので、もしかしたら向こうでは何か凄い表現が為されていて、単にそれを再現するのが難しかったという事はあるかもしれないが、いじめの主犯が普通すぎた。腕っ節が強いわけでも、取り巻きがそこまで多いわけでもない。そして、親が金持ちだとかそういった描写がない。この普通の子が気の強い主人公をいじめていることには何とも言えない違和感があった。

総じて、今作は、いじめを題材とした作品の中では比較的見易い作品ではあるが、細かい部分、雰囲気などは原作を再現出来ていないのか中途半端なものがあった。なので、好みは別れるだろう。
無知A

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