「どん底に生きる男たちがボクシングを通じて動き出す前篇」
原作未読。
前後篇合わせて5時間近い上映時間に尻込みしてましたがようやく観賞。
2021年のオリンピック後の近未来の日本は自殺者が増えたりと絶望に満ちた雰囲気。
そんな中、先輩を半身不随にされ、後輩への復讐に燃える新次(菅田将暉)、父親に虐待され吃音、対人赤面症で話すのが苦手な建二(ヤン・イクチュン)の社会のどん底にいた2人がボクシングでプロを目指していく群像劇のヒューマンドラマ。
映画とボクシングの相性はよく、ボクシングを通じてその人間ドラマを描きやすいのが特徴でもありますが、本作も2人がボクシングを通じて友情を育んでいき、親子関係や生と死など描いていきます。
前篇ではそんな2人の出会いやボクシングを始め、プロになっていくまでが描かれますが主人公といえる2人の演技がとにかく素晴らしいですね。
菅田将暉さんの野蛮性のある狂気を孕んだ表情や兄貴と慕って建二と仲良くしているシーンなどの演技の幅が凄かったですね。
今後、復讐やそれぞれの物語がどう動いていくのか気になる形で終わる前篇でした。