爆裂BOX

BATS2 蝙蝠地獄の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

BATS2 蝙蝠地獄(2007年製作の映画)
3.2
軍事兵器開発のスペシャリストウォルシュ博士を捕える為、デルタフォースが潜伏先であるチェチェンのベルザノの森に潜入するが、彼らは博士の開発した殺人コウモリの群れに襲われ…というストーリー。
ルー・ダイアモンド・フィリップス主演、ルイス・モーノウ監督による秀作アニマル・パニック「BATS/蝙蝠地獄」の続編です。タイトルだけのなんちゃって続編ではなく正当続編ですがストーリー上の繋がりはありません。
チェチェン独立派ゲリラに匿われる元米陸軍研究者の確保の任務を受けたデルタフォースが現地の研究施設の森に潜入するも、独立派ゲリラやロシア特殊部隊スペツナズ、そして博士が開発した殺人コウモリと戦う事になるという内容です。
前作ではウイルスによって進化したコウモリでしたが、今回はマッドサイエンティストにより開発された超音波で操られる肉食コウモリという設定になっています。周囲の木に擬態する能力も持っていますが、使われるのが最初の方だけだったのは残念。コウモリの大群はCGで表現されてますが、悪くないクオリティではあります。割と最初の方から獲物に襲い掛かってズタボロの死体に変えたり、空中に持ち上げたりと襲撃シーンも見せてくれます。ゴア描写は腕すっ飛ばしたりする所くらいかな。犠牲者の死体はそこそこグロいです。
主人公達デルタフォースの面々も皆それなりにキャラ立ってたんじゃないでしょうか。ずーっと最後の方までスタンドプレーする主人公にはちょっとイラついたけど。あれだけチームプレーの大切さ言われてたからそれに気づいて重視していく展開かと思ったのに。任務に同行するCIAのエージェントで冷徹そうで仲間を見捨てない所も見せるヒロイン役で「ウォーキング・デッド」や「デッド・ノート」のポリアンナ・マッキントッシュが出ています。悪役のウォルシュ博士も常に減らず口叩いていて良い悪役ぶりだったと思います。
コウモリとの戦いは主人公達の周囲を飛び回る蝙蝠をひたすら撃っていくだけなので後半になると単調さを感じますね。独立派ゲリラとの銃撃戦も盛り込まれ割合としてはそっちがちょっと多いかな。
コウモリだけじゃなく独立派ゲリラやロシア特殊部隊スペツナズも参戦する複雑な構造になってますが、殺人コウモリの脅威とそれに立ち向かう主人公達という単純明快なストーリーだった前作と比べると、主人公達の脅威になる相手が複数いるのでコウモリの脅威や恐怖がブレて緊張感が持続しないのは残念。スペツナズは時間さいて描写する割に主人公とカラムの最後の方だけだからバッサリカットしても良かったのでは。
最後のスペツナズの捕まってからの流れとかは嫌いじゃないですね。ラストはお約束のオチだけど、お約束のオチに見せかけてバッサリ切り捨てた前作のオチの秀逸さと比べるとベタすぎて落ちるかな。
前作と比べると落ちますが、それでもアニマルパニックやB級アクションとしては及第点な作品だと思います。