正直、最初はけっこう親身に思ってました。
共感する部分も同情する部分もあります。
嫁も娘も自分の言いたいことしか言わないし、男の言うことは聞かないし、こういう家庭はしんどそう。けどありがち。
そもそも問題の事件そのものは絶対にこの男のせいではないしさ。
せやけどな…ここまで保身が過ぎると、さすがに「まとも」ではないわな。
てか故意に車に突っ込めるんならそれはもうただの犯罪者。しかも毎回なんでそう食事が大事よ。
ってとこで気がついた。
あ、これ、思考停止なんだ。脳を通さず反射でしか行動してない。
そこからがほんものの恐怖だった。
「自分のせいじゃない」「自分は関係ない」って言い訳しながら受動的立場に甘んじて思考をやめてしまうのは、いつの世にもいちばん多数派。
人間ってそういう生き物だし、多くの事件ってそうして起こるのだよな。
それでも、別居を申し出る妻に「愛してる」が言える感覚は日本とは違うなとは思います。
ただ、男の守りたかった安寧の世界に、本当に愛情があったのかは、わりと謎。
