ナツメグ

五日物語 3つの王国と3人の女のナツメグのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画元となったペンタメローネという民話の原作は未読ですが、グリム童話などのヨーロッパの様々な童話の原型と言われている作品という所に興味を引かれ見てきました。

ヨーロッパの童話の原型といわれるだけあって、おどろおどろしいくエロティックな雰囲気が出てきて、テリーギリアムの映画を見ているような気持ち悪く残酷だけどそれも含めて美しいといった感じで、その雰囲気を映画内でうまく表現されていて、少しだけ使っているCGのところは粗かったりするのですが、他のセットや衣装、風景に至るまで映像的な場面はすごくこだわっていて構図の取り方といい、美しい絵画を見てるいるようでした。

物語の内容は3つの国の物語を並列的に見せていく話なのですが、それぞれの国の女性たちの願いとそれが思いもよらない結果を生むといった内容となっていて、子供がほしいあまり怪物の力を借りる女王、声だけ美しい少女の老婆が若返ろうとする、素敵な結婚を夢見ているお姫様だが、父の王は娘のことを全く考えてないでノミを飼育することに夢中といった話でどれも童話的な面白さにあふれた話だったのですが、結婚したいお姫様の話が一番気に入りました。

お姫様は王の適当な約束のせいで鬼のような男と結婚する羽目になるのですが、その鬼のような男は実は姫の言っていた理想の結婚相手の条件は一つを除いてクリアしていて、住んでいた場所はちょっとアレだったのですが彼は賢くて勇敢で力強いくそして姫のことを愛し、大切にしてくれる人物でした。
しかし彼にほぼ落ち度はないのですが、カトリーヌ・ブレイヤ監督の青髭のような最期をとげていくといった感じで、いつの時代もフランケンシュタイン博士の怪物もそうですが、みんなそこを気にするよねといった感じで悲しくも切ない話でした。

3つのエピソードは最後の申し訳程度の関連性しかないなら1つ1つ一気に見たかったと思ってしまったり、映像は綺麗なのですが暗いシーンが多かったり、アクションはわざとなのでしょうが何をやってるかわからなかったりっといった感じで気になるところはありますが、鬼のような見た目の人が一番人間的だったり、若い女性よりも老婆が一番かわいかったりといった感じで不思議な物語と不思議な気持ちに浸れて満足です。

少しダークなファンタジーが好きならおすすめの作品です。
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