タカナリ

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険のタカナリのレビュー・感想・評価

3.7
シリーズ第37弾。
10万年前の南極にて、遺跡の調査をしていた少女カーラとヒャッコイ博士。その最中に、遺跡を守る石像オクトゴンが二人を襲撃。その際にカーラは大事なリングを落としてしまった。
そして10万年後の現代。南極に遊びに来たドラえもん達は、たまたまそのリングを見つけた。

今回は珍しく、のび太があまりドジをしません。細かいミスはあるものの、これまでに比べたらマシな方です。
そういうドジ描写よりも、南極の氷でかき氷を作ったり、遊園地を作ったりと、非常に夢のある楽しい描写が多かったです。
南極に半袖半ズボンは寒いと思うんだが。

リングを見つけたドラえもん達は、そのリングを持ち主に返すために南極を冒険する事になりますが、その冒険も非常に良い。雪と氷と星空だけですが、無駄なものがないからこそ美しく感じました。
そして南極の地下にあった遺跡の冒険。
未知なる空間。氷漬けの生物。ドラえもん型の石像の攻撃。
数々の謎と未知との遭遇にワクワクしました。
明らかに伏線を意識した描写がありましたが、子供向けなのでこのくらいで十分でしょう。

注目なのが、後半で起きた意見割れ。
ニセドラえもんとドラえもんが出てきて、ジャイアン達はニセドラえもんを本物だと言い張ります。しかしのび太だけは、「どちらもドラえもんだと思う」と曖昧な回答。曖昧ではありますが、直感で本物のドラえもんを認識していたように思えます。
おそらく本来なら、ジャイアンの脅しによって反対意見は消されるんでしょうけど、今回は珍しく、のび太は反対意見を
曲げません。学生でも社会人でも、多数意見に飲まれないのはなかなか難しいですよね。メンタル弱い人はまず出来ません。だけど自分の意見、自分の意思って大事ですから、出来れば簡単には捨てたくないですよね。
のび太だから出来たというのもあるとは思いますが、対等に意見が言える関係というのはとても羨ましい。

評判が良かったので見ましたが、個人的には正直少し物足りない。
面白かったですが、もう少し話複雑にして欲しかったです。