三樹夫

新感染 ファイナル・エクスプレスの三樹夫のレビュー・感想・評価

4.0
ゾンビ+ゴケミドロ+ニューヨーク1997+電車の韓国映画。この映画のゾンビは、ワールド・ウォーZ のような、走るゾンビがインフレして暴れるゾンビとでも言えるゾンビ。ソウルでウィルスが漏れて感染者が拡大。ゾンビの魔の手はソウル発釜山行きの列車に乗った主人公親子にも迫っていた。走る列車という密室の中でゾンビが増えていき、また一人また一人とゾンビへ。
列車の中にはゴケミドロの代議士と金子信雄の役を一人で担うクソジジイが乗っているが、主人公(大沢たかお似、ちなみに車掌は坂上忍に似ていた)も中々のクズ野郎で、何で主人公がクズ野郎なのかというと、この構造はアイアムアヒーローと同じで、回復とか成長がテーマになってる。極限の状況下で、クズ野郎&ダメ親父の主人公が、プロレスラーみたいな体型のオッサンに手を差し伸べる所から真人間&父親になっていきカタルシスはあるが、アイアムアヒーローの時も思ったけど、ゾンビ発生という極限状態(黙示録的状況)にならなきゃ回復や成長しないってもの凄いダメ人間なんですよね。

この映画のゾンビは鳥目みたいなゾンビで、暗くなると人間を見失うため、そこの所を活かしたニューヨーク1997やMGS的ステルス要素を駆使して列車内を移動するのがジージャン心をくすぐる。作中に銃火器は登場せず、バットとかが主な武器で、列車という狭い空間、ゾンビ大量発生というそれぞれの要素が上手く組み合わさっていた。
過剰になればなるほど、数量が大きくなればなるほど笑えてくるため、というより韓国映画はそういうの多いけど、この映画のゾンビ式ブレーキのかけ方のシーンはなんか笑いそうになった。
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